kaisei紅茶館　加藤由岐さん

紅茶は心をホッとさせてくれる飲みもの

「子どもがまだ幼い頃、夫に美味しい紅茶が飲みたいと言われました。それがきっかけで紅茶のレッスンを受けるようになりました。20年前のことです」
もともと一つのことを続けていく性分だという由岐さんが、再び紅茶と関わるようになったのはそれから10年後のこと。
「紅茶教室で勉強をしながら先生のアシスタントをするようになりました。その時の先生が尊敬できるとても素敵な方でいろんなことを学びました。」
やがて自身の仕事として毎日、紅茶に関わりたいと思うようになる。
「初めてのお店は別の場所で3年ほど営業していました。いいご縁があってこの場所に移転しkaisei紅茶館としてオープンしたのは2014年の6月。おかげさまで一年目を迎えることができました」
紅茶は発酵食品で人の心をホッとさせてくれる飲みもの。季節ごとに旬のものを楽しむこともでき、同じ茶葉でも味が違ってくるという。
季節のおすすめの紅茶と一緒に由岐さんの作るスコーンやケーキをいただけるのは何よりもうれしい。

プライベートレッスンをどうぞ

T.E.A認定ティーマスターエキスパートの資格をもつ由岐さんは毎月、紅茶教室を開いている。
「紅茶は知れば知るほど奥深く、生活を豊かにしてくれますね。一人でも受けたいという方がいればプライベートレッスンをいたします。本格的にティーエキスパートの資格を取りたい方には2年間受講していただきます。お菓子のレッスンも承っております」
受講される方の年齢は20代から70代と幅広く、遠方から来られる方もいる。講師として人の前で話をしてはじめて解ることもあると由岐さんはいう。
「楽しみながらレッスンされている方を見ていると何よりも大切なのは、誰かのために美味しい紅茶を煎れてあげたい、そんなひたむきな思いだと気付かされます」

トラくん、本名ダージリンのお話

由岐さんは毎日、ネコのトラくんと一緒にお店に来ます。
トラくんは由岐さんが仕事をしている間、大家さんでもあるお隣の事務所でお世話になり一日を過ごします。
由岐さんがトラくんに出会ったのは、お店をオープンして間もなくでした。
「お店の屋根裏にいたのです。産まれてそんなに経っていないほんの仔ネコでした。捕まえるのはなかなか大変で、あの手この手を使ってやっと我が家に連れていきました。警戒心が強く痩せていて可愛いとはとてもいえなかったですね」
なかなか馴れなかったトラくんですが、由岐さんご夫妻の愛情に包まれて優しく穏やかなネコさんに成長しました。
「お出でになるお客さまはどういうわけかネコ好きな方が多く、帰り際にお隣の部屋で遊んでいかれます。トラくんも心得ていてさり気なく愛嬌を振りまいているようですね」
トラくんに会うのを楽しみにして来られるお客さまが増えて、いつの間にかみんなの人気者になっているのですね。
本名はダージリンですが、いつのまにかお客さまたちの間でトラくんと呼ばれていたそうです。
由岐さんがお店を終える時間までひたすら待って一緒に帰るトラくん。今日はどんな一日だったかな。明日もしあわせな日でありますように。