もっと知りたい郡山の農業
萱沼凍みとうふ本舗 椎根商店 椎根宏文さん
私たちが作る凍みとうふをどうぞお召し上がりください。
包丁で一枚一枚切っています
郡山市日和田町の椎根宏文さんは、萱沼(かやぬま)地区で代々続いている「萱沼凍みとうふ本舗」を経営しています。
「萱沼の凍みとうふには歴史があり、江戸時代に参勤交代の武将がこの地区に受け継いだとされています。昔は、広く作られていたようですが現在は自分の所を入れて6軒あります」
各生産者の独自の製法があり、出来上がった凍みとうふもそれぞれに少しずつ味が異なります。
「うちの凍みとうふは、今も昔もほとんど変わらない製法で最低限の機械化しかしていません」
とうふを切る作業は、包丁を使って一枚ずつ行っています。もっと効率の良い方法もありますが、人の手で切ったものにはかなわないと椎根さんはいいます。
豆の濃厚な旨味を生かして作りあげます
「椎根さんのところの凍みとうふでなければダメだというお客さんが遠くから来て下さるのが一番うれしい」
そんなお客さんがいてくれることが何よりも励みになると笑顔を見せる椎根さん。小さい頃からご両親の働く姿を見て育ちました。自宅の脇の土間に作った大きな釜で豆を煮ていたのを覚えているそうです。
お話を伺った時に凍みとうふの要になる絞りたての熱々の豆乳をいただきました。豆の量が多くこの濃厚な旨味を最大限に生かして作りあげるのが椎根さんの凍みとうふです。
椎根さんが大切にしたいのは、日本の食文化。若い人にももっと地元の食材を使い、作って食べる楽しみを知ってほしいといいます。
「凍みとうふは、だしにもなるので我が家の味噌汁には欠かせませんね。私はニラと一緒に煮てふわりと卵でとじて食べるのが一番好きです」