もっと知りたい郡山の農業
農業 吉田賢一さん
農業は天職だと思ってがんばっています。
採りたての野菜を食べてほしい
郡山市中田町の吉田賢一さんは、奥さまと2人で農業を営んでいます。
今、出荷しているのはナス、ピーマン、キャベツ、トマトなどの夏野菜。一年を通して30種類以上の野菜作りに励んでいます。
「ブロッコリーは作り始めて35年になります。野菜作りは自分で勉強をしてノウハウを積み重ねてきました。以前は市場に出荷していましたが、今は自分で値段をつけられる直売所に出しています」
今朝もキャベツやナスを出してきたという吉田さん。朝露のしたたるような採りたての野菜を食べてもらいたいといいます。
何事も遊び心が大切
7年前、吉田さんは大病に見舞われました。病床で思っていたのは病気が治ってからの野菜作りのことでした。
「病気をする前は、葉タバコを中心にした農業を営んでいて、倒れた時もちょうど葉タバコを納めた直後でした。元気になったら今度はあれを作ろうこれをやろうとその思いを希望にしました」
病気をきっかけに葉タバコをやめた吉田さんですが、葉タバコも野菜も農業としての基本は同じだといいます。
「震災、原発事故後で一番困ったのは山の落ち葉を肥料として使うことが出来なくなったことです。今は他県から腐葉土を調達していますが他の土地のものを使うのはむずかしいです」
吉田さんは、繁殖農家として和牛も飼育しており、牛糞を利用して堆肥を作る循環型農業をしています。
「この作物をこう作ったらどうなるか、という遊び心も大切ですね。土いじりからは得るものがたくさんある。農業は自分を生かす天職だと思ってがんばっています」
その思いは吉田さんの生き生きとした表情と力強く育った畑の野菜からも十分に伝わります。
吉田さんの得意な野菜は枝豆。「湯あがり娘」と「秘伝」の2種類で、もう花芽がついているとにっこりされました。