郡山全集
直売所へ行こう|020 JA農産物直売所「愛情館」
JA農産物直売所「愛情館」:郡山市朝日2丁目3-35 JA郡山ビル敷地内
平成19年6月1日リニューアルオープン。
朝8時半過ぎ、広い駐車場に車が次々に入ってくる。開店前の数分の間、直売所の入り口に小さな列ができる。腕にカゴを抱えドアが開くのを待つ人々。小さな列はしだいに広がっていく。
午前9時、さあオープンだ。
「おはようございます、いらっしゃいませ」
開店とともに元気な声が飛び交う。広い店内には、取り立ての野菜や果物、色とりどりの花、おにぎりやもち、パンなど手作りの加工品がきれいにせいぞろい。朝一番のお客さまをあたたかく迎えてくれる。人々は野菜や花をひとつひとつ手に取っては見入り、思い思いの歩調で店内を回る。
JA農産物直売所「愛情館」は、JA郡山ビル敷地内にある。平成13年6月に開店、6周年を迎えた今年、平成19年6月1日に売り場面積を拡張しリニューアルオープンした。生産者とお客さまを結ぶ「懸け橋」として多くの人々に喜んでもらえる店作りに取り組んでいる。
全農福島と中通りの4JAが協力して運営しており、登録農家は約700軒を越えた。店内には、それぞれ生産者のJA名・氏名が貼られた新鮮で安全、安心な農作物が豊富に並ぶ。
「おいしい野菜づくりは土づくりから」
大河原さんのおはなし。
郡山市阿久津町の大河原一男さんは、奥さんの京子さんと二人で農業を営んでいる。愛情館にはネギを中心にパセリ、プリーツレタス、ナスなどその時々の季節の野菜を出荷している。
毎日、出荷時間に合わせて収穫する。「今朝も5時起きだよ」と明るく笑う京子さんに自宅から数分のところにある畑を案内してもらった。
郡山の駅方面の景色が一望に見渡せる気持ちのいい高台に大河原さんのネギ畑は広がっている。夏の終わり、畑には気持ちのいい風が吹き渡る。
「ここは見晴らしがいいでしょう」
いやなことがあっても、ここに来ると風が全部吹き飛ばしてくれるのだと目を細める。
「風に吹かれながらの農作業は重労働です。今はもう身体が馴れたけれど若いころはそれはそれは大変でしたよ。じーさん、ばーさんも人一倍きびしかったけれど、そのおかげで今の自分がいるんだと思います」
京子さんは身体がそんなに大きくはないが、フットワークのいい軽快な印象で笑顔が絶えない女性だ。苦労話もさらりと語る。
「うちのネギはうまいよ。栄養もあるし身体にもいいよ」
おいしい野菜づくりには土作りが大切という一男さん。
「気候、陽気に左右されます。この30年来ずっと毎年毎年、勉強させてもらってます」
身体が丈夫で真面目な一男さんについていくのが大変だと笑う京子さんだ。
作物がすくすく育っているとうれしい
一男さんは農業を始めてからずっと日記をつけている。
一行、二行だけれど毎日書いている。これが大切なのだという。
「去年の今頃の時期には何のタネをまいていたとか、気候はどうだったとか何か問題が起きたときには特に役に立ちます」
たった数行の記録ではあるけれど、その時の様子がすぐに目に浮かぶのだという。なににも変えることができない一男さんオリジナルの貴重な資料だ。
育てること。作物を切らさないように、タネおろしの計画を立て作付けしていくことが大切だという。
「作物がすくすく育っているとうれしい。そうして育てた野菜をおいしいと喜んでもらえると疲れがいっぺんに飛んでいきます」
市場の人に早く持ってきてよと言われ「待ってて、今育っているから」とユーモアたっぷりに言葉を返す京子さんだ。
跡取りはただいま勉強中
一男さんと京子さんには、息子3人、娘1人の子供がいる。
「三番目の息子が、農業をやりたいと言ってくれました」
一男さんに似て真面目で努力家。ていねいな仕事をするのだという。
一男さんはそんな息子さんに言っている言葉がある。
「目いっぱいやると長続きしない。101まではやるな。99までにおさえておくように」一男さん自身、がんばってしまう自分のこともふまえての言葉なのだろう。
息子さんは今年の5月からニュージーランドの農家にホームスティをしている。ただいま野菜づくりの勉強中である。
JA農産物直売所「愛情館」
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- JA農産物直売所「愛情館」
- 024-991-7610
- 6月~10月 AM9:00~PM6:00
11月~5月 AM9:00~PM5:00
問い合わせ
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- TEL.024-991-9080
2007.09 取材 文:kame 撮影:BUN
加工品を買いたいです
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