100-FUKUSHIMA Vol.003
力丸果樹園 力丸哲さん
ひとつひとつ選び抜いたリンゴを食べてください
美味しいリンゴをシードルに
「シードルに使うリンゴは美味しいものでなければなりません」
2015年から始まった 「果樹農園6次産業化プロジェクト・逢瀬ワイナリー」の事業に参加し、シードルを作るためのリンゴを供給している力丸哲さんはそう話します。
「リンゴジュースなどの加工品には品質の低いものを使うと思っている人もいますがそうではありません。原料になるリンゴそのものが美味しくなければ美味しいシードルを作ることはできないのです」と語る力丸さんは自分の作るリンゴの可能性に喜びを見いだしています。
逢瀬ワイナリーの事業は、復興を目的とする一面もありますが、それだけではなく事業としての継続性を考えて行われています。その意味から若い生産者として自分が選ばれたということに責任を感じていると話します。
「郡山市の果樹生産の将来を任せてもらったのだと受けとめています。このことを機会に生産者同士のコミュニケーションも多くなってきています」
ひとつのリンゴを育てるために
力丸哲さんは、郡山市田村町谷田川で奥さまとご両親の家族4人でモモとリンゴの果樹園を営んでいます。こおりやまゆうには今回で2度目の登場です。
「今年は花の時期に霜が降りてしまいその結果、収穫が少し落ちています。春先の霜対策はしているのですが、遅霜は恐いです。その時点でおおよその見通しがついてしまいます」
花が咲いて実になる。ひとつのリンゴの実を育てるために受粉や剪定は大切な作業です。
咲いた花のうち、実として収穫できるのは約一割。残すものを見極める目が大事だといいます。
力丸果樹園では、地元の小学生に授業の一環としてリンゴ畑でいろいろな体験をしてもらっています。
「子ども達はここに来ただけで歓声を上げます。自分たちの身近にこんな場所があったのかと驚くんでしょうね。生き生きとした顔を見るのはとても嬉しいです」