あっち、こっち。

2014年のあっち、こっち。

黒磯タミゼ、パーフェクションの炎

タミゼ時間はいつの時でも、同じ速さで過ぎていきます。
それがどうでしょう、12月に入ると1日が1週間が流れるように過ぎ、ため息のつきどころさえない思いにとらわれそうになることもあります。
そんなときには思いきって外へ出ましょう。
歩いてもいい。車でちょいと出かけてもいい。
ここではないどこかへ身体を移動させるだけで、何ものからか解き放たれるように感じます。
そんな場所がいくつかあればそれは幸せなこと。
そのひとつが黒磯タミゼです。
スタイリストとして雑誌などで活躍されている高橋みどりさんは、毎週、日曜日と月曜日にお客さまを迎えるために東京から黒磯へ来られます。
気さくなみどりさんはファンも多く、みどりさんとお話をされるのを楽しみに訪れる方も多いことでしょう。
お店の隅の一段高くなった所に本の部屋があり、ほのかな灯りが本棚を照らします。
冬の日にはパーフェクションに火がともり、揺れ動く炎に心も温まります。古い本の背表紙を一冊ずつ丁寧に見ていく幸せ。山の本と料理の本が多いのも好ましい。心にとまり、連れて帰りたいものに出会えるのも嬉しいことです。

あと数日で新しい年を迎えます。
今年一年、無事に過ごせることに感謝、2015年もどうぞ良い出会いがありますように。

2014/12/25

寧々やにて

寧々や会津若松市の七日町にあった「寧々や」が、夏の終わりに郊外に移転しました。
寧々やは、主に昭和初期の椅子や机、戸棚などを扱う古道具屋さんです。
移転先は、古い家屋の一軒屋で庭先も広く、お住まいも兼ねているということです。
訪ねたのは秋真っ盛り、晴れ渡る青空がまぶしい午後でした。店先には、さっき採ったばかりだという甘柿が山と積まれ、お日さまに照らされていました。
店主の大関さんは、町中に居たときよりも大らかな笑顔で迎えてくれ、そのくったくのない表情はここに移ってきてよかったな、と思わせるのでした。
古い家屋を改造した店内はとても広く、クツを脱いで上がるとまるで宝探しにきているような感覚に。
柱の横をふと見上げるとお人形さんが高い所にたたずんでいます。きらきらとした大きな目のお人形です。
それは私が子どもの時代には、おそらくどこの家にもあっただろう懐かしいものでした。
その愛らしい微笑みは、古いもので埋め尽くされた空間を穏やかに照らす光のよう。出来るなら、どうぞしばらくそのままで、ここに居てくれるようと密かに心の中で祈ったのでした。

2014/11/26

あんざい果樹園のこと

あんざい果樹園秋風の気持ちのいい日曜日、福島市のフルーツライン沿いにある「あんざい果樹園」を訪ねました。
ご家族が営んでいる果樹園は、知るひとぞ知るステキな所です。
震災・原発事故の前は、ご両親と息子さんご夫婦が果物を育てていました。
夏には桃、秋は梨の実、冬にかけてはりんご。息子さんは、震災の1年ほど前に果樹園のりんご畑の一部で自然栽培に取り組み始めたばかりだったと聞きました。
現在、2人の小さなお子さんがいる息子さん家族は札幌へ移住し、あんざい果樹園はご両親ががんばっておられます。
あんざい果樹園の敷地内にある古い家屋は、「器やあんざい」。奥さまが営むお店で、作家ものの器や布物、福島のカゴやザルなどを扱っています。
お店には庭の植物がさりげなく活けられ、靴をぬいで上がる畳も気持ちがよく、ほっとする空間です。
この日、奥さまは不在でしたが、ご主人の柔らかい笑顔に誘われて少しだけお話をしてきました。
帰り際、この時期には珍しい小ぶりの桃をいただきました。
実は白く、種のまわりの赤さに思わずドキリ。少し固めで甘酸っぱく、それは美味しい桃でした。

2014/10/28

演奏会にて

演奏会8月の終わりに、ピアノとチェロの演奏会に行きました。
演奏するのは向山良作さんと榊原彩さんで、お二人はご夫婦です。
良作さんのピアノと彩さんのチェロ。1年に一度のデュオリサイタルです。
第一部はチェロとピアノのソロで、バッハとショパンをそれぞれ1曲ずつ。
第二部は、チェロとピアノの協奏。協奏曲は2曲でシューベルトとベートーヴェンでした。
演奏する前に、曲の紹介や曲への思いを丁寧に語る彩さんの姿が印象的でした。
息の合った二人の演奏はどれも素晴らしく、とりわけシューベルトの「アルペジオーネソナタ」の第2楽章アダージョが心に残りました。
第2楽章は、古い日本の歌を思わせる叙情的な旋律で始まります。
ふくらみのある音色で奏でる彩さんのチェロを良作さんのピアノが静かに包みこんでいきます。やがてチェロとピアノの音色が穏やかに重なり合い第3楽章のアレグレットへと導かれていきます。
良作さんと彩さんはパリ在住の音楽家です。
良作さんは郡山市のご出身。彩さんは京都のお生まれです。
お二人の演奏会は、今回で12回目を迎えました。
この定期演奏会は良作さんのご両親や学生時代の友人たちに支えられています。
サポートする友人たちのまるで学生時代に戻ったような楽しそうな様子に友達っていいなあ、としみじみ思ったのでした。

2014/09/30

ROOMSにあるもの

SHOZO ROOMS黒磯のショーゾーROOMSには、ふらりと入ったつもりがずっとそばに置きたくなるものがあります。
この日は、お店の隅っこでひっそりと風を送っていた小ぶりの扇風機に心惹かれました。
昭和初期のものでしょうか。本体は上品なベージュ色のシンプルなデザイン。しっかりと作り込まれたガード枠の機能美に思わず見とれます。
羽の色は緑色。音も静かに心地いい緑の風を届けます。
ふと顔を上げると古い時計が静かに時を刻んでいました。
時刻は午後3時を過ぎたばかり。1日の中でホッとひと息つける時間です。
目に入るものたちに心を残し、ひとまず近くのカフェで温かい飲みものをいただきましょうか。

2014/08/22

夏こそラーメン

まことのらーめん暑い日のラーメンもいいものです。
よく冷えた部屋でアツアツの麺を食べるしあわせ。流れる汗もなんのその。夢中になれるひとときです。
7月半ばの暑い日に、喜多方の「まこと」のラーメンをいただきました。
お店は、遠い日に家族が過ごしただろう3つの和室が開放され、長いテーブルがほどよく置かれています。古い人形や時計がそのままあり、どこかなつかしい空間です。
「まこと」は相席があたり前。玄関先で靴を脱ぎ、常連さんも初めての人も申し合わせたようにすんなりとあいている座布団に座ります。
小さい子ども連れの若い夫婦、シニア世代のグループ。バイクで来た若い人たち。遠くから近くから、誰もが故郷の家に帰ってきたようなホッとした顔つきで腰をおろします。そして隣で旨そうに食べている人たちを穏やかな目で眺めながらラーメンを待つのです。
待つ時間が長ければ長いほど、口にした瞬間は幸せです。思わず「旨い」と一言、連れと微笑み合いあとは黙って食べ進むのみです。

2014/07/31

カフェ&パイの店タラゴン、海さんの作るもの

タラゴン那須のカフェ&パイの店タラゴンは、国道沿いの森林の中にあります。
小高い駐車場に降り立ち、お店へと続く小道を歩くと空気が変わるのを感じます。
鳥のさえずり、木立を抜ける草木の香り、影をおとす木漏れ日、那須ならではの気持ちのいい空気に包まれます。
海さんは、このお店の娘さん。ジュエリー作家さんで、ご両親が営むお店を手伝いながら自分のペースでもの作りをしています。
お店の入り口が海さんのギャラリースペース。ネックレス、ピアス、イヤリングなどが素敵に置かれています。
ひとつひとつが丁寧に作られていて同じものは二つとない唯一無二のものたち。ちいさな変形パールを繋いだシンプルなネックレスや繊細なシルエットのピアスなど、とりわけジュエリーの色使いが魅力的です。
お気に入りのパイセットを待つ間にゆっくり手にとって見られるしあわせ。お店が混んでいない時には海さんから言葉をかけていただくこともあります。
ものごしが静かで笑顔が愛らしく、丁寧な接客が印象的な女性です。

2014/06/24

おにぎりの話

男は積まれた丸太に腰を下ろし、首に掛けたタオルでごしごし手を拭いて、工具袋から弁当包みを取り出した。
中には、大ぶりの白いにぎりめしが三つ。
隅に、たくあんと古漬け茄子。
にぎりめしのひとつをつかみ、ちょっと傾けて眺めてから、がぶり、もぐもぐ。
足を放り出して、天を仰いだ喉が、ごくん。具はなめ味噌。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ふたつめは、梅干し。種をふいっと吹き飛ばし、たくあんぼりぼり。
みっつめは、焼いた荒巻き鮭の、塩っ辛い腹身が、焦げた皮ごとごろり。
おにぎりころりん 杉浦日向子
「アンソロジー お弁当。」より

雑木林で伐採作業をする男が、おにぎり弁当を食べる話の一節。
おにぎりを食べる男のアゴの動きが目に浮かぶような描写です。
それにしても、おにぎりはどうしてあんなにもおいしいのでしょう。握る人によって味がちがってくるおにぎり。
私のおにぎりは、ちょっと多めの塩をまぶします。
遠い昔のある日、嫁いだばかりの私に父親がこう言いました。
「いいか、おにぎりは塩が立つほどつけると旨いんだぞ」
冷めてから食べる塩が立ったおにぎりの美味しいこと。おかずも何もいらない無敵の旨さでした。

2014/05/28

カフェZAZA、窓からの風景

ZAZAまだ寒い3月の日曜日に、カフェZAZAを訪ねました。
カフェZAZAは郡山市磐梯熱海町石筵の山間にあります。
これで2度目の訪問、カフェの窓から見える風景にもう1度会いたくて足を運びました。
窓の外には冬枯れの木立が広がります。
目を凝らすと赤い三角帽子をかぶった小人たちが思い思いの姿でたたずんでいるのが見えます。
1度目に来た時には気づかずにいたので、見つけたときには思わずあっと声が出ました。
オーナーの方は木工も手がけています。小人たちはオーナーさんの手から生まれたものでしょうか。
お店にはギャラリースペースもあり、訪ねた時にはネコをモチーフにした作品たちが居心地良さそうに置かれていました。
奥さまが描かれたという絵画も素敵に飾られていてそこに居るだけで心が穏やかになります。
窓からの風景も今は春を迎えている頃でしょう。
いつの時も訪ねるのが楽しみな場所になりそうです。

2014/04/25

おひで茶屋のうまいもの

おひで茶屋おひで茶屋は、会津若松市の東山温泉に向かう街道沿いにあります。
こんにゃく、生揚げ、ニシン、餅などをご主人が囲炉裏端で焼いているのを見ることができます。
甘辛い味噌をつけて炭火でじっくりと焼き上げたものを、フーフー言いながら食べる幸せ。なかでもつきたての餅の田楽の旨さはこの上ないものです。
外はかりっと香ばしく中はふっくらととろけるよう。ここでしか食べることができないものです。
真夏は汗だくで焼いていて、どんなに暑くても熱くても人のいい笑顔で懸命に仕事をするご主人の姿に心をうたれます。

2014/03/26

めぐる季節

黒磯SHOZO 04STORE 水がうごく
風がうごく
心が踊る

黒磯SHOZO 04STOREの店先の黒板に書かれた言葉です。
いつのまにか1月も終わり、気がつけば極寒の2月。油断をすると寒さに身体が負けそうになる日々が続きます。それでも季節は春に向かってうごいています。
寒い毎日の中、夕暮れの春めいた風の匂いにはっとする時があります。
遠い日のいつかの風景を思い出させるようななつかしいせつない匂いです。
明日は晴れるかな、晴れるといいな。
西の空を眺めながら祈るように思います。

2014/02/10

仲よく、楽しく、元気よく。

仲よく、楽しく、元気よく。無事に2014年を迎えることができました。
新年おめでとうございます。
これから一年、どんな出会いがあるでしょう。
本年もよろしくお願いします。

2014/01/08


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